ツギココTSUGI KOKO — A TRAVEL MAP RATED BY "BETTER THAN EXPECTED"
※ これは草案です。ハッカソン(2026年11月)に向けた構想段階の設計で、仕組みや数値の扱いは開発の中で変わることがあります。
行った人が「期待以上だったか」で、観光地を評価する観光マップ
旅先選びには、誰もが同じ悩みを抱えています。「せっかく時間とお金をかけたのに、外したくない」。けれど、頼れる情報がありません。Googleマップの口コミの信憑性は「どちらとも言えない」が最多の約42%で、Googleは2025年だけで2.9億件を超える不正なレビューを削除しています。SNSには、収益目的やPRの投稿があふれています。信じきれない情報の中では、人は結局「有名だから」で行き先を選び、定番に人が集中します。
その裏で、地域には良い場所が埋もれています。訪日客の延べ宿泊者数の約3分の2は三大都市圏に集中していて(2025年)、国は2030年までに地方部での宿泊を約2.2倍にする目標を掲げています。宣伝費のない小さな地域や事業者は、良い場所を持っていても見つけてもらう手段がありません。
ツギココは、旅行者にとっては「外さない」ための信頼できる物差しになり、地域にとっては、宣伝費がなくても良ければ見つけてもらえる入口になります。混み始めた場所の露出を自動で下げることで、人の流れを地方へ分散させます。
Tsugi Koko rates destinations by whether visitors found them "better than expected", not by raw star averages. A transparent scoring script keeps scores stable even with few reviews, lets lesser-known spots rise, and caps exposure of crowded places to spread visitors to regional areas. Paid placements change position only, never the score. First demo: Okutama, western Tokyo. Built with Claude Code; the service computes scores with scripts and does not call an LLM at runtime.
観光地には、信じられる点数がない
| 既存の手段 | 弱いところ |
|---|---|
| Googleマップ | レビューは多いが、点数を信頼しきれない |
| トリップアドバイザー | 日本の利用者が少なく、ビジネス寄り |
| じゃらん | 予約サイトなので、予約できる場所が中心 |
| 収益目的・PRの投稿が多く、投稿者の主観に寄る |
作者の体験
毎年夏、友人と奥多摩へ川遊びとバーベキューに行きます。鍾乳洞なら多くの人が有名な日原鍾乳洞に行くので混みますが、近くの大岳鍾乳洞も、知られていないだけで負けないくらい良い場所です。有名な場所に人が集中し、良い場所ほど埋もれる。旅行者には「外す」原因に、地域には機会損失になっています。
設計方針
- 完成したサービスは、実行時にLLMを呼びません。点数はスクリプトで計算します(再現できる・説明できる・安い)。
- 何を重く扱うかという考え方は公開し、具体的な係数は不正な点数操作を防ぐため非公開にして、定期的に見直します。
- Claude Code は、設計と実装に使います。
レビューの入力(最初から構造化)
行く前の期待
5段階。満足度との差が中心の指標になる文脈
同行者(一人・友人・恋人・家族)、季節、時間帯。自由記述は表示のみで点数に使わない点数ができるまで
- 甘辛の補正:評価者ごとの過去の平均とばらつきで標準化する。
- 期待とのずれ:満足度から期待を引いた値。「外さない」と「隠れた名所」を測る中心の指標。
- 重み = 評価者の信頼度 × 新しさ:信頼度は投稿数、回った地域の幅、目利き度(過去の評価が、後から集まった全体の評価とどれだけ一致したか)。季節で変わる場所は、同じ季節のレビューを重く扱う。
- 場所ごとの点数:地域×種類ごとの事前分布(階層ベイズ)から始め、レビューが増えるほど実際の評価に寄せる。出力は「点数」と「確からしさ(幅)」。
- 不正対策:短期間の投稿の急増、作ったばかりのアカウントの集中、評価の偏りを行動データで検知し、重みを下げる。
点数と、お金と、混雑を分ける
| 枠 | 決め方 | 目的 |
|---|---|---|
| 点数 | B-02の結果のみ。お金では一切動かない | 信頼 |
| あなたに合う度 | 観点別の点数と、同行者・季節・時間帯の一致度 | 外さない |
| 発見枠 | 「今の点数+まだ分からない分」が大きい場所を優先(探索と活用)。混雑の評価が悪くなったら露出を自動で下げる | 隠れた名所を育て、人の流れを分散させる |
| PR枠 | 並び順と枠だけで優遇し「PR」と明示。点数には触れない | 収益(事業者・自治体・観光協会) |
食べログの立ち上げ期から学ぶ
| 食べログがやったこと | ツギココでの置き換え |
|---|---|
| 雑誌や電話帳から店を1件ずつ手入力した | 自治体・観光協会のオープンデータで最初の観光地データを作る |
| ブロガーを勧誘し、投稿しやすい道具を配った | 旅行ブロガーや発信者を最初のレビュアーとして招く |
| 改善要望に数営業日で応えた | 試用者の声で改善を素早く回す |
| 店の契約や広告に関係なく口コミを載せた | 点数とPR枠を完全に分ける |
データは自分たちで集めたもの、または利用が許されているものだけを使う(他社サイトのレビューの無断収集はしない)。
ハッカソンでの範囲
- 対象:奥多摩周辺(西多摩:奥多摩町・青梅市・檜原村・あきる野市)
- 有名な場所と知られていない場所を並べ、単純平均の順位とこのアルゴリズムの順位を比べ、隠れた名所が浮かび上がる様子をデモで示す
- 季節で評価が大きく変わる地域なので、季節の重みの効果も確かめる
外部環境
確認レベル:A=政府・公的機関の原本で確認/B=調査主体と方法が明記された民間調査。確認日 2026-10-25。
P 政治
2030年の訪日客の地方部での延べ宿泊目標(2025年は5,873万人泊)。地方部は「当面、三大都市圏と1:1」をめざす。A
訪日客の宿泊の66.3%が三大都市圏(2025年)。前年比は地方部+19.1%。A
観光庁の2026年度予算1,383億円。うちオーバーツーリズム対策などは100億円(8.34倍)。A
E 経済
日本人の国内旅行消費額(2025年、+6.5%)。2030年目標は30兆円。A
訪日客4,268万人、消費額9.5兆円(2025年、過去最高)。A
西多摩の観光消費額693億円(2024年度推計)。A
S 社会
Googleマップの口コミの信憑性「どちらとも言えない」が最多(2025年2月、n=1,000)。B
「#PR」投稿を「単なる広告と思う」36.4%(n=1,033)。B
「穴場に行きたい」36.8%(n=3,151)。B
T 技術
Googleが2025年にブロック・削除した規約違反のレビュー(前年は約2.4億件)。A・自社申告
生成AIを使った開発で、個人でも複雑な評価の仕組みを短期間で作れる。
L 法律
ステマ規制は2023-10-01施行。初の措置命令(2024-06-07公表)は、Googleマップで高評価を条件に割引していた事案。A
PRを明示し、点数と完全に分ける設計は、法令遵守の面でも強み。
良い場所はあるのに、情報が届いていない
公式SNS
来訪のきっかけになった割合。公式サイト18.9%、過去の自分の経験35.0%、知人の話26.3%。A
参考にした情報
滞在中に「参考にした情報はない」。施設側の30.6%が「情報発信・PRが不十分」。A
夏への集中
日原鍾乳洞(年間95,809人)の来場の、7月と8月の2か月の割合(2017年)。A
日帰り
西多摩の観光客615.5万人のうち日帰りの割合(2024年度、GPS推計)。A
奥多摩町
人口(2026-10-01)。高齢化率53.3%、5年で12.2%減(2025年国勢調査速報)。A
この企画にとって
信頼できる口コミの場が空いている。施設側にPR枠の需要がある。季節の重みと分散の仕組みに意味がある。観光は地域の存続に直結する。
出典:西多摩地域広域行政圏協議会 観光入込客調査(R6・H29)、奥多摩町、東京都 国勢調査速報
強み・弱み・機会・脅威
S 強み 内部・プラス
- 点数とPRの完全分離
- 少ないレビューでも崩れない評価
- 考え方を公開できる計算
- 現地をよく知る利用者目線
W 弱み 内部・マイナス
- 最初はレビューがゼロ
- 知名度がない
- 対象地域が狭い
- 収益化まで時間がかかる
O 機会 外部・プラス
- 国が地方分散とオーバーツーリズム対策を重視し、予算も増えている
- 口コミへの不信
- ステマ規制で、信頼できる場が求められている
- 地域の担い手との連携
T 脅威 外部・マイナス
- Googleマップの圧倒的な利用者数
- 大手の参入
- 偽レビューの攻撃
- 隠れた名所が知られすぎて混む → 発見枠の「混雑の上限」で対策
誰に、どの立ち位置で
S 切り分け
旅の動機(定番か発見か)、情報源への信頼、同行者、出発地(首都圏から日帰り・1泊か)
T 狙う相手
- 首都圏の20〜30代で、友人と日帰りや1泊で自然へ行く人。定番の混雑は避けたいがSNSも信用していない(穴場志向は約3人に1人)
- お金を払う側:自治体、観光協会、地域の小さな事業者
- 将来:訪日のリピーター(国の2030年目標は4,000万人)
P 立ち位置
旅行者へ
定番は混む、SNSは信用できない。お金で動かない点数で、外さない穴場へ。
地域へ
宣伝費がなくても、良い場所なら見つけてもらえる。
社会へ
人の集中をほどき、地方へ分散させる。国の地方誘客・オーバーツーリズム対策の方向と一致する。
- 「約2.2倍」は、目標1.3億人泊を2025年速報値5,873万人泊で割った作者の計算。
- 西多摩の2017年版(手作業の計測)と2024年版(GPS推計)は方法が違うため、年をまたいで比べていない。
- 民間調査(B)は、調査主体・時期・対象・人数を併記している。テキスト版:tsugikoko.md